時代とともに失われつつある伝統的壁技術を保存、継承。
「文化財建造物は、その建造された時代の先人の優秀な技術の結晶であり、またその時代の高度な精神性をも現代に伝える貴重な遺産である」
当会は、この考えのもとに団結し、保存修理事業において、高い精神性の再現に取り組んでおります。素晴らしい日本の伝統的技法を後世に伝えるべく、技能者の養成や資材の確保等、様々な活動を行っています。
ユネスコ無形文化遺産保護条約に登録。
国の選定保存技術であります「左官（日本壁）」、「建造物修理」、「建造物木工」、「檜皮葺・杮葺」、「建造物彩色」、「屋根瓦葺」、「建具製作」「畳製作」など計17件が、2020年12月17日「伝統建築工匠の技：木造建築物を受け継ぐための伝統技術」として、ユネスコ無形文化遺産保護条約により登録されました。 これら木造建造物を受け継ぐ伝統技術は、左官・木工・屋根葺・装飾・畳など、建築遺産とともに古代から途絶えることなく伝統を受け継ぎながら、工夫を重ねて発展してきた伝統建築技術です。
お知らせ＆NEWS
後継者の育成や啓発活動、
紋章の由来
当会の紋章は、左官の「左」から作られた美しいデザイン。もともとは大正元年創業の（有）津田左官工業所、初代津田源蔵氏が使用していた印で、その後、当会役員を務められた二代目・誠一氏のご厚意により、当会の紋章としても使用させていただいております。土壁を作る際に組まれる「竹小舞」のようでもあり、正確な鏝の跡のようでもあり。職人としての高い美意識を感じさせるデザインは、会員たちの想いを象徴するものとなっています。
次世代への職人の育成へ。
文化財建造物は、先人たちの修練と英知が生んだ「生きた証」です。先人たちと同じ時間軸の上に立つ私たちの使命は、その修復において当時の技術や考えを正しく理解し、出来る限り当時のままを維持しながら、後世へ継承すること。そのため、文化財修理技術者には、歴史的背景から材料や道具の手配、調合、施工方法に至るまで、深い知識と経験が求められます。徒弟制度のない現代、私たち保存会は、全国の同業者が同じ志のもとに団結し、研修会の実施や認定制度を通じ、伝統技術の担い手となる次世代の職人たちを育てます。
